キャップの溝にこびりついた何か

剥がすの楽しいよね

影鰐LIVE上映 猿楽ナイトツアーに全日通った人のメモ

 最初はね、最初の土日とトークショーが見れればいいやって思ってたの

 けれど初日、見終わった後、気が付いたら4日分のチケット代がクレジットカードで決済されてたよね

 
という訳で、影鰐Live上映 猿楽ナイトツアーをうっかり全通しちゃった一介の鰐ラーがこの一週間で感じたこと、考えたことを有象無象に喋っていきます。
 

0. そもそもこのエントリってなんの話?

A. 2018年6月30日~7月6日の7日間、テアトル新宿という映画館で開催されたイベント「影鰐LIVE上映 2.8 猿楽ナイトツアー」に、7日間全日参加してめちゃくちゃ楽しかったという話。

 
 
そもそも影鰐ってなんだよって話については公式HPをどうぞ。
ありていに言えばB級臭漂うホラーアニメ。B級ホラーがどんななのかちゃんと知らないけれど。 参加声優陣的にも主人公とそのライバル的キャラに杉田智和さんと置鮎龍太郎さんが並んでいて、だいぶすごい。他声優陣もすごい。
また、主題歌はM.S.S Projectが担当し、ゲスト声優として本編に登場したことが私にとってのはじまりだった。
きっと私と似たような人がファンの大半を占めている、アニメの作風とファン層が一致しない不思議なアニメだと思う。(このあたりについては後述)
大手の動画配信サイトならほとんどのところで現在でもアニメを視聴することが可能なはず。基本的にはdアニメストアが一番コスパよく見られる気がする。
また、第一話はニコニコ動画は無料で視聴可能。言い忘れていたけど、アニメ自体は2期まで制作済み。

リアルタイムでの放送は2016年春が最新だけれど、その後も上映会イベントの開催や世界観になぞらえたコラボアトラクションを企画しており、今回もその一環。
ただし、前回の企画から1年が経過しており、久々の作品の動きに私は大興奮してあまりにもあらぶっていた。
その結果が全通だよ。 
仕事をそそくさとあがり映画館に足しげく通うその様は、安室の女をちっとも笑えない。(あの映画も可能であれば複数回見たかった)
 
こうやって影鰐が初めての方向けに概要を書いてるけど、これ以降は影鰐を観ている人向けに書いているので注意。

1. あらすじ:猿楽製薬社会科見学だったらうけるなーと思ったらそんな生易しい影鰐ではなかった

これを受けて
 
 
こんなことを思っていた私
だってメインぽい新キャラが女性一人と男性三人だったんだもん……
先生と生徒かなって……
 
でもそんなかわいいことをする影鰐ではなかった(かわいいのは公式Twitterだけ…)
実際は以下の通り。
 
あらすじ
観客の前に姿を現したのは、奇獣ハンターを名乗る3人の男達。彼らは、かつて爆発事故を起こし廃墟となった猿楽製薬で奇妙な鳴き声や不審な影を見かけたという噂を受け、ネット上で人々を集め深夜の猿楽製薬に忍び込む「猿楽ナイトツアー」を企画した。
彼らに導かれるままに爆発事故以来無人の廃墟と化したはずの猿楽製薬に侵入すると、そこで出くわした異形頭の白衣の人影に襲われる。
命からがら避難した地下12階で、ツアー参加者の面々は顔の半分を仮面で隠した男が残した、映像記録を目撃することになる。
そこには、数々の奇獣の存在と、その奇獣達の祖である生物"影鰐"を巡る仮面の男ーー木村の"新世界"へと至る経緯が刻まれていた。
重大な記録を前に、喜び勇んで持ち込んだパソコンへコピーし始めた奇獣ハンター達だが、突如として彼らの頭上から白い煙が降り注がれる。
それは、猿楽製薬が秘密裏に開発していた「HONMAウイルス」というサンプル。それを体内に取り込むと、放っておけばその肉体が奇獣に変貌してしまうという。
更には巨漢の奇獣まで乱入し、ツアー参加者はシェルターに逃げ籠ることになる。
奇獣化への恐怖と、外で奇獣が迫る閉鎖された極限状態の中、助けを呼べる手段は定員6名の非常用エレベーターのみ。ツアー主催者の三人は、他の参加者をシェルターに残し、そのエレベーターに向かう。
だが、その三人のうちの一人、コウタは奇獣化の進行が早く、仲間を襲い始めた。
今にも襲われそうになった残りのシュウは、そこで猿楽製薬の「掃除屋」、レナに助けられることになる。
レナとシュウは地上へと脱出を試みるが、道中で先の奇獣に遭遇。奇獣の奇声で身動きが取れなくなった二人は、猿楽製薬でかつて実験体にされていた「少年」の自爆で難を逃れた。
なんとか外へ出ることに成功した二人。しかしサンプルを吸いこんでいたシュウは、その左手が異形のものに変貌していた。掃除屋であるレナは、その職務を全うするためにシュウに銃を向ける。
しかし、「少年」が命を賭して倒したと思われた奇獣は二人の後を追ってきており、レナが窮地に陥ったその時、そこに古めかしい衣装をまとった少女と、スーツ姿の男が現れたーーー
 

2. 制作期間3週間っておかしくない?

以下のメディアによるレポ内のインタビューで高嶋監督が語っているのだが、今回の作品、制作期間は3週間だった様子。

sokoani.com

 

ーー今回は準備期間がとても短かったとお聞きしましたが。
高嶋 コンテから納品まで3週間しかなく、しかも途中で僕が1週間フランスへ出張だったので、本当に時間がなくてびっくりしました。

 

 実際、制作期間中もこんなギリギリの状態

 

 

ちなみに、今回の映像は約60分のうち、40分程度を過去アニメシリーズの再構成に使っており、新規の内容はおよそ20分ほど(らしい)。

しかし、それはただ1本アニメを書き下ろせばいいというわけではなく、LIVE上映たらしめる演出も凝らさなければならない。今回のイベントの特徴であるそれは、映画館で映像を上映するだけでなく、劇場で人がリアルタイムに演じ、そこで奇獣によるパニックが再現されることにある。

 

3. 影鰐 -KAGEWANI- はスルメ劇メーション

前述のとおり、今回のイベントで上映された作品の一部は、過去に放送されたアニメシリーズの再構成版となっている。

この再構成された映像は、ストーリー上は木村が猿楽製薬社員に向けて残した、影鰐研究の成果記録という位置づけだ。

こうしてみると、新たに気付くことやキャラクターに対して考察をより深めることもでき、影鰐は見れば見るほど楽しめる要素が増えるな……と実感させられる。

 こんな感じで妄想が加速する。

今回の再構成は木村視点であることが色濃く反映されているので木村関連の話題に事欠かない。

 

4. 演出は増えるわかめじゃないんだよ

今イベントの最大の特徴である、映像と現実のリンク。特に現実で展開される奇獣と特殊部隊の攻防は毎日展開が変わり、エスカレートし、その変化も楽しい。

 

初日

すべてのはじまり

このころはまだ隊員二人と客席で感染した奇獣二人の攻防。

いったん落ち着いた後、「ここで何をしてるんですか!?」と隊員(のちのアライさん」)に声をかけられたけど混乱しすぎて何も言葉にならなかった。ごめん。

 

二日目

スモークマシンが実装される。映像に合わせて足元を這うその煙は、浴びたものを奇獣化させる「HONMAウィルス」が含まれており、劇場全体が奇獣化感染の危機に陥る。

ドリンクを飲めば奇獣化を予防できる!そして猿楽Tシャツを買って着ればさらに奇獣化予防効果が「うしゃーーーーー!!(奇獣の声)」

演出の追加は映像上の時間制限との闘い。 

 

三日目

タサキ「ICカードステッカー648円です!」

アライ「本部も混乱している!」

この日から六日目まで、来場者の中から抽選で描きおろしイラストが当たるキャンペーンを実施。

 アライ「(HONMAウィルスに)感染おめでとうございます!」

タサキ「先輩!感染ではなく……当選だと思います!」

 

四日目

 「ここで見たことは他言無用……これをネタバレという」

ネタバレに反応してTwitterで感想を言うのを自粛していたらどんな内容だったか忘れてしまった。

たしかこのあたりから、奇獣戦に映像内で感染していた奇獣ハンターのひとりも混ざっていた気がする。

 

五日目

なんか奇獣が赤いもの持ってるなと思ったら人の腕でした

めちゃくちゃぐにょんぐにょんしててこわい

奇獣が増える

このあたりから(私の)悲鳴が隠せなくなる

タサキが途中で戦闘不能に陥り、観客が銃を渡され応戦することに。

お疲れさまでした。

 

六日目

スモークがスクリーン横からも

また奇獣が増える。マスクこわい。こわい。怖いって!!!!!

 

七日目

贄の儀式で販売された音叉が再び登場。最前列のお客さんに渡して「鳴らして!」と。

奇獣が5人くらい登場してもはやカオスの様相を呈していた。

 

5. トークショーというか影鰐3期決起集会というか

最終日の上映後には、出演者と制作陣によるトークショーが行われた。

メンバーは以下の通り(紹介順は登壇時客席から見て左から)

マフィア梶田さん(奇獣・猿楽製薬研究員役)・・・今回のMC。とても体格がいいいかつい方なのは知っていたが実際に拝見すると予想以上で感動。過去作でも出演されていたとはいえ影鰐を熟知した立場からのMC回しは最高の二字。

石川由依さん(レナ役)・・・今作で影鰐初出演。他出演作に「進撃の巨人」のミカサ・アッカーマン等。個人的には「音楽劇『ヨルハ Ver1.2』」に出演されていたことが衝撃。見たかったなあ……。監督曰く、「人間らしさの中に30代の厳格さを併せ持っている表現でキャスティングした」とのこと。

あろまほっとさん(少年役)・・・もともとゲスト声優だったはずなのに気が付いたら準レギュラー化していた不思議な立ち位置。ちなみに「少年」は猿楽に実験体として扱われていた奇獣のクローン体。ついにキャラクターが着用していた服を着用しての登壇。(監督に「これ着てください」とお願いされたらしい)

高嶋監督・・・つい二日前には植物を操る奇獣の扮装をして記念写真の撮影時にはファンに蔦をめちゃくちゃ絡ませるファンサービスを披露。すごい。

熊本さん(脚本)・・・当初登壇予定はなかったが上演期間中に登壇が発表された。この方の頭の中には表に出てるよりももっとすごいスケールで影鰐世界が展開されている。すごい。

 

今回のトークショーの内容については以下を参照のこと。

 

トークショーでは今回の作品の背景に「『影鰐 -KAGEWANI- 承』からすこし時間が進んで、番場や木村のほかに影鰐に対抗できる部隊が増えている時代」と語られたり、「人気キャラクター小森智のクローン体は、奇獣化した本間から生成されたウィルスと合成されているため、本間の性格を色濃く反映し狂暴化したバリエーションも検討していた」といった情報が明かされたり、やはりトークショーだからこそ聞ける情報が盛りだくさん。 そして今回のイベントの形態については、誰もが手ごたえを感じている様子を見せた。奇獣化予防ドリンクの展開については「特にやりたかった」とのことで、参加者としても、回数を重ねるにしたがって「ドリンクを飲んで上映に挑まないと本当に奇獣化してしまうかもしれない」といった恐怖が増していき、ドリンクの効果を感じさせた。

 

今イベントの振り返りもさることながら、トークショーは今後の展望についての話題で白熱する。イベント上のストーリーから今後へと続く、番場の動向や各人気キャラクターの構想についてもその一部を仄めかされ、三期への期待が膨らむばかり。

「三期にもレナを出したい」「クローンである少年のさらなる性格違いのバリエーションが出るかも?」など、構想や妄想(?)がどんどん飛び出す。

「今回第二のサト…少年が死んでしまったわけですけれども、第三、第四の少年が登場する可能性もあるわけですよね」

「私が死んでも変わりはいるものってことですかね」

と、他作品のキャラの台詞を引用するあろまほっとも、自身のキャラクターの今後について期待を寄せている様子。

 キャストも、制作陣も、もちろんそこに集ったファンも、影鰐のこれからを切望しており、そこはさながら影鰐三期決起集会のようだった。

 

6. まとめ:帰るまでが猿楽ナイトツアーだ

って、最終日に掃除屋のアライさんが言ってた。

他にも「暗いところには奇獣が潜んでいるかもしれない……」など、様々な煽りで22時過ぎという深夜に帰路につく観客を気遣ってくれる彼らに、感謝は尽きない。

一週間のレイトショー、日に日に増していく演出に比例して、恐怖も増大していく感覚が特別に印象深い。

あの一週間、私たちは間違いなく猿楽製薬に忍び込み、奇獣を目撃し、猿楽製薬の恐ろしさの片鱗を身をもって体感した。

影鰐だからこそできるエンターテインメントを、これからも目撃したい。

 

X. 我らがアライさんとタサキさんの話を聞いてくれ

作中、劇場に発生した奇獣を制圧するために現れた全身を黒い武装に包んだ二人の男性。

彼らは奇獣に対抗する術を備えたエリート「掃除屋」だった。

装備した銃で奇獣に立ち向かい、時には身を挺して観客を守るさまは、影鰐の過去シリーズで奇獣になすすべもなく打倒される特殊部隊よりずっとかっこいい。

しっかり者でベテランの空気を漂わせる(声がいい)アライと、若手らしく傷を負いがちだがどこか憎めない愛らしさを持つタサキ(名前が怪しい)の二人組は、今イベントの要を担っていたといっても過言ではない。

そつなくステマをこなすさまもいい。影鰐グッズは奇獣から身を守ってくれる。

とりあえずアクターさんの次の出演作を教えてください。

(この項についてはいつか追記します。)

 

XX. リアルタイムではこんな感じにくるってた

そうは言っても多少ネタバレ自粛してたので7割くらい大人しかったけど

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