キャップの溝にこびりついた何か

剥がすの楽しいよね

舞台刀剣乱舞維伝 朧の志士たち を観た

※感想の勢いのために色々なものがガバガバ

 

 ま、ゆーても地元の映画館でライブビューイングなんだけど。

 

 ゲーム自体はやらなくなって久しい。実のところプレイをやめる決定的な出来事があって、しかしそれは私の個人的な事情なのでそれはそれとして、刀剣乱舞というコンテンツ自体は好ましい。

 

 今回の作品の原作にあたる文久三年への匿名調査は、私がゲーム刀剣乱舞をやらなくなってずいぶん経ってからのイベントなので、まあ、とりわけ新鮮な気持ちで。ゲームリリース当初から実装されていた4振り以外は初めましてである。(そう、小烏丸もビジュアルは知っていたが実装されたときにはすでにプレイしていなかった)

 

 刀ステは友人の手引きもあり、映像の形で何本か視聴している。だからこそそのクオリティは認識していたし、ライビュの誘いも二つ返事で乗った。

 それに推し刀(和泉守兼定)もいたので、こんなに楽しみでいいのかなあと不安視する程度には期待度が高く。

 

 いや、いいねほんと。ありがとう刀剣乱舞

 

 そもそも陸奥守吉行と和泉守兼定という二振りが並ぶのが好きなんですよ。

 刀ミュでは戊辰戦争を舞台に二振りの過去の向き合い方が描かれていたような気がしますが(朧気)今作でもその構図は美しかった。対吉田東洋戦で、「前の主を生き長らえさえたくないか?」という問いに対して、苦しむ兼さんと、惑いなく坂本龍馬は近江屋で死ぬと言い放つむつが、本当にとても良い。苦しむ兼さんも良い。迷わないむつも良い。

 しかもさあ!何よあの銃の使い方!兼さん!銃の!使い方を!!!!!知ってる!!!!!!!狙いがブレないように、反動に負けないようにと銃を握る右手首に添えられた左腕が、「よ~く狙うんだろ?」と吉田東洋を射抜くさまが、「あ~~~~なんなんだ和泉守兼定という刀、あまりにもかっこいい」となる。

 銃を毛嫌いするからこそ、銃をよく知ろうとしたのかなあなどということを思う。そういう刀だと思う。きっと。

 

 記憶の限りでは刀剣男士たちは人間を守ったり殺めたりなどはあっても、背中を合わせて戦うということはさほどなかったように思う。それは刀剣男士たちが人間を軽く超えた能力を有しており、かつ通常敵対する歴史修正主義者たちもまた、人間の手には負えない存在だから。けれど今回、登場する『元主』は、元主に因する人格を有していても、その実、人間ではなかった。だからこそ実現した、「岡田以蔵肥前忠広が背中を合わせて戦う」という構図が嬉しいような切ないような。

 南海太郎朝尊が呼ぶところの「魑魅魍魎」である今回の人間たちのような設定があれば、「自分とはなにか」みたいなテーマをいくらでも描けるだろうけど、そういったものはほとんどなく、ただ「岡田以蔵」や「武市半平太」として生きていたのがとても印象的だった。そういうの刀剣男士がやってるから!いやまあそうなんだけど。

 

 坂本龍馬という人物は、その成し遂げた偉業の大きさからか、どうしても英雄としての側面を強調して描かれやすい。というか坂本龍馬の半生を描いたら自然とそうなる。

 けれど今回の坂本龍馬は、「歴史をさかのぼれれば、喪ってしまった二人を喪わずに済むのではないか」と、どんな人間でもきっと抱いたことがあるごくありふれた後悔を口にし、歴史改変の病巣にされた。とてつもなく普通の人間だったな……最近英雄という概念について考えるのがマイブームなのでとてもタイムリーというか。

 作中、かたくなに刀を抜かなかった彼が、唯一の1回を「戦いの中で斬らせてほしい」と願ったむつのために使ったというのが、作品の構成として神がかってたと思う。というか帯刀していたのが陸奥守吉行じゃなくて肥前忠広だったのも良い。時代考証的にも自然なんでしょうか?とにもかくにも、坂本龍馬の腰に差されていた肥前忠広は一度も抜かれることはなく、岡田以蔵の手に渡ってようやくその刃のきらめきが晒されたというのもいいよね。

 

 というわけでただただ勢いのままの舞台刀剣乱舞感想でした。

 次回作告知の歌仙、めちゃくちゃ美しかったな。次回は1回くらい現場頑張ってみようかな。こういう生半可な気持ちだと絶対行けなさそうなくらいあちこちで「戦争だ」って聞くけど。

 

以下、もはやただの衝動の吐露でしかない雑感。

 

・前評判で目にして気にしてたけどむつの人の二の腕やばすぎひん!?!?!は~~あれまるごと筋肉ですか。ほお~~~……すご……??オープニングの殺陣の時点で動きが桁違いすぎて悲鳴を飲み込むので精いっぱいだった。おかしい

・兼さんやっぱり派手な動きが映えるよ~~~~かっこよくてつよい~~~好きだ……

・国広!!!!!かわいい!!!!なんなんだ彼は……兼さんを慕う姿のいじらしさ(相棒!って呼ばれたときの顔アップでくれ)やら鶴丸やむつに甘えるシーンやら、いつの間に彼は全刀剣男士の弟の地位を得たのですか!??Thank you あと成人の日おめでとうでした

・小烏丸の時折見せる片足立ちが優雅すぎていちいち見とれた。というか振る舞いの優美さや現世離れしたお姿に反してユーモアを理解するギャップやらスイッチが変わったときの目つき声色やら素晴らしかった……殺陣のときに袖を片手で抑えながら戦うのも、ハンデを自ら負った上の余裕といったふうにもとれて好き

・染谷さんの鶴丸初めてお目にかかったのだけど、マッジですごいな……色々言いたいことはあるが、「コノ状態カラデモ入レル保険ガアルンデ「ねえよ!!!!(肥前くん)」のくだりはめちゃくちゃ花丸でした。美しすぎてそれ以外のまともな記憶がねえぜ おはぎ手ずから食わせてほしい

・南海先生のちょっとマッドはいってる感じ好き……あの人のポジション、刀剣乱舞じゃなかったら黒幕だろというかよもや黒幕ではなかろうなと警戒してたけど普通にちょっといろんなことに興味がありすぎるだけの人だった。あと大きい人なのに経験足りないからって皆(特に後半のおじいたち)にかばわれてるのがなんかときめきました。そのあとの真剣必殺した後のガチさも良い~~~~はあ~~~ありがちだけどボロボロの状態で眼鏡上げるしぐさが美だった

肥前忠広をお迎えできるチャンスが発生した際にはぜひご連絡のほどよろしくお願い致します。

岡田以蔵さん役一色洋平さんのカテコ挨拶が沁みた。岡田以蔵という人物は歴史的な資料がほとんどなく「以蔵さんのことがわからない」と言いつつも、「理解した気にならない方が真摯なのかなと」と仰ってたことがねえ……マジで以蔵さんをお好きでいらっしゃるんだなと……微妙な言い回しがあやふやだ もう一回確認したいので円盤買うか!?!?!どうしよう……

・刀剣男士たちの挨拶のとき橋の下に体つっこんでた以蔵さん良

・最後のカテコで一番に肥前くんにハイタッチしに行った以蔵さん良

・以蔵さん好きすぎてどうしたらいいのかわからなくなってとりあえずFGOの以蔵さんを育て始めた(何故?)

・あんな人をからかうような顔から遠い小烏丸さまが一番しつこく"精進"されてたのが驚きだぜ!