キャップの溝にこびりついた何か

剥がすの楽しいよね

仮面ライダー電王を観た

 今まで全く縁がないに等しかったのに今年に入ってから同年代オタクに立て続けに仮面ライダーを熱烈に勧められる事件が続き、ついに先日3人目から布教をうけ、「これはいよいよ1シリーズは見ておかないといけない」と腹を括って、誰もが一番に『まず観るならこれを観ろ』と提示した『仮面ライダー電王』を観た。

 あー いや、そりゃそうなんだけど 面白かった

 そもそも、「電王の”電”て”電車”から来てるんだ!?」というところから始まった私の電王視聴生活。よくもまあ、あれだけ流行ってたの知っておきながら、主人公の名前もろくに知らないまま10年間いられたよなあ~と思う。いや、でも今観てよかったな~と思う。多分リアルタイムで見てもそんなにハマんなかったし。

 最後まで観続けるほどテンションが続くかなあという心配をしながら、なんだかんだと11日間で全話(+劇場版『俺、誕生!』)を視聴しきったのは確かにこの作品の力だよね。

 総評で色々書くにはボリュームありすぎるので、Twitterで実況してたときのツイートからピックアップしてごにょごにょします。

  小さい頃は仮面ライダーシリーズはちゃんと観てて、かっこよくて好きだったんだけど、かっこいいだけでは見られなくなった一方で、利口でもなかった故に話の内容を理解できなくなったことを理由に観るのをやめた経緯があった(その時期から照らし合わせたらカブトか響鬼くらいだった)ので、1話を観て「わ、わかるぞ~~~!?」ってびっくりしたのがハイライト。いやただ変身しただけだけど。あとは記憶に残ってる仮面ライダーの画面が薄暗かったので、明るくカジュアルさがあったのに驚いた。フォロワーからもカジュアルさから勧められたわけだけど。ここで「なんだ全然身構えなくていいじゃ~ん」って油断しまくった私がいる。言っておくがその油断がお前の身を1週間後くらいに滅ぼすぞ。

  あんまりツイートしなかったけど、みんなが加入するたびに「よ、良~~~!!?!?」って言い続けてる。加入経緯がめちゃくちゃ刺さったのはジーク(準レギュラーだけど)でした。

  劇場版『俺、参上!』でその憑依力(?)の強さがキーになったり最終話でも登場したり、単発ゲストなのかなと思ってたらめちゃくちゃ後から出てきてくれたの嬉しかった~。

 野上良太郎の精神力強すぎない???迷うこともあるけど迷うことも強さ故なのめちゃくちゃ……なんか……すごくない??なんでも背負っちゃうしなんでも責任取っちゃうし~~~未来を守ることとイマジンズとの別れの矛盾にちゃんと向き合って、矛盾を背負ったまま戦う決意をできることも強いなと思う。

  全編で佐藤健の演技力にすげ~~!!?って戦いてた。もちろん声優さんの説得力もあるんだけど、その説得力に見合う身体の芝居するのすごくない!?私は佐藤健初心者でもある(まともに見たのはるろ剣くらい)からめちゃくちゃ佐藤健の芝居にぐらぐら打ちのめされていた。とはいえふにゃふにゃな野上良太郎からめちゃくちゃかっこいい「変身」て台詞が一番ヤバかったけど。なんか。

  この回で、それまで油断していた私がめちゃくちゃにボディーブローをくらって死んだ。

 34話は誰にも記憶されていなかったピアノ弾きの男が、過去の修復から取りこぼされてしまった回なんだけど、今まで多くの人々が救われるべくして救われてきた電王で、『救うはずだったのに救えなかった』存在というのがショッキングだった。一応は彼にも元の時間に戻る可能性を示唆されていたけど、彼がデンライナーに乗ったことで、初期に大勢いたデンライナーの乗客たちのことがよぎり、やたらゾッとした記憶がある(まあそんな設定最初はなかったのかもしれなけど)。そしてピアノ弾きの末路は、『自分に関する記憶を犠牲に変身する』侑斗の戦い方の重さをぐっと強調するわけなんだが……

  30話で良太郎が”桜井さん”が愛理の記憶から失われてることについて侑斗に尋ねたときの返事が、かーなーり、来た。全編を通じて本音を語ることが少ない侑斗だったけど、イマジンによる侵略で一番の影響を受けた存在だったわけで、自分が未来にいるはずなのに自分の痕跡を感じることもできない虚しさだとか、変身するたびに増す孤独だとか、中盤で感じた”ヤなやつ”の裏はどれほどのものかと今はもう想像が止められないというか、今からまた侑斗初登場回見返したら多分泣いちゃうでしょ。そんな気がする。あと「忘れる方もつらい」って言って孤独のままにいる侑斗、劇中ろくに喋らないわ良太郎との接触も拒むわな桜井さんと同じ人間だって感じがするわ。

  そして39話で高校生の侑斗が死ぬことでゼロノスになった侑斗の存在が消滅してしまった40話、デネブが侑斗のことをすっかり忘れて(侑斗との関係がなかったことになって)デンライナーに乗ってるのがマジでめちゃくちゃつらかった。お前、お前……あんなに侑斗を慕っていたのに……デンライナーで同じ風にふるまうんじゃないですよ……。

 それはそれとして、電王に憑依したデネブがどういう戦い方をするのかはちょっと気になる。

  そもそも基本的に人外という概念が好き(イマジンを人外として扱っていいのかは謎)なのでよく考えたら私向きな作品ではあったなあ、と今にして。その上人間と人外のバディとかね、いや好きでしょ……。侑斗とデネブももちろんながら、良太郎と4人のイマジンとの交流も49話かけて丁寧に変化したことを描写されていたのがとてもよかった。細かく書くと際限がないくらいには。本当に。各イマジンと良太郎の関係がみんな違うのもいいよね。良太郎の心の強さを一番認めていたキンタロスや、細かいこと気にすんな!って引っ張り上げてくれる兄貴分的なモモタロスが特に印象に残っている。

  そんなこんなで自分が当初イメージしてたよりも早いスピードで全話視聴してしまった電王は、私の中で凝り固まってしまった仮面ライダー像をぶち壊してくれた素晴らしい作品だった。まだ劇場版が何作か残っているので、そちらものんびり見ていきたい。

 最後に。

 電王観ながら色々あらぶってた私を見守ってくれた(おそらく当時リアルタイムで見てた)フォロワー各位、マジでありがとう~~~~!おかげで完走できたよ!ありがとう!