キャップの溝にこびりついた何か

剥がすの楽しいよね

M.S.S.Phantasia ファン3年半の人間の目線で

 

 

少し長い前置きを許してほしい。

 

 

2014年の春にM.S.S Projectという集団を知り、それから約一年半、2015年のライブツアーの東京公演を終えるまで、私はあらゆる場でMSSPに関する発言を努めて抑えていた。

 

そんなことをしていたのは、「MSSPは実況グループのひとつ」という意識が強かった自分にとって、実況というジャンルがアングラだというイメージと、友人のほとんどがおよそ実況と強い縁があるとは言えない面々だったことが理由だったように思う。

そんな自分の妙な配慮によって、当時の自分が何を考え、どういう経緯でMSSPを好いていったのかが今になって全く思い出せないでいる。唯一思い出せるのは、初めて見たのがモンスターハンターポータブル3rdの怪鳥クルペッコ編であったことくらいだ。どんな思いであの動画を見、初見バイバイを回避した自分がどうしてその続きを見ようと思ったのかは思い出せない。

 

当時の新鮮な気持ちは、気が付いた時には誰も知らない場所に置いてきてしまったのである。

 

だからというわけではないが、M.S.S Projectの5枚目のアルバム(番外編のPiruPiruTUNEを含んで)であるM.S.S.Phantasiaのクロスフェードデモ動画が投稿された1月21日から24時間と少し経ち、色々と落ち着いてきた段階で思うところを残しておきたい。

そんなつもりでこの記事を書いている。

 

 

さて、件の動画だがこれまでのクロスフェードデモと同様に、ニコニコ動画Youtubeに同時投稿されている。

 

 

ニコニコ動画

Youtube

 

 

 

全13曲と、恒例の無駄トークで14トラックという構成。

 

デモ動画投稿前の段階でその片鱗が明かされていたのは、スマホゲーム#コンパスのMSSP特別ステ―ジ専用曲になっている「影光SPECTRUM」と、昨年2016年11月から12月にかけての全国ツアーライブで恒例の(アンコール前の)最終曲となっていた表題曲の「M.S.S.Phantasia」だろうか。

「プロトレジエム」は自身の実況シリーズ”OverWatch”のテーマ曲ではないかというコメントもあり、私もそうだろうとは思う。フルバージョンの発売、あるいは公式からの発表を待ちたい。

 

そして今回特色としてあげられるのは、やはり音楽面で大きくかかわることがなかったあろまほっと氏とeoheoh氏の初の作詞曲、そして自らボーカルを担うという「MISSING LINK」と「I'll be...」の2曲、そしてKIKKUN-MK-Ⅱの初になるボーカロイド楽曲「ReBirth」の存在だろう。

 

MISSING LINKとI'll be...のアレンジを手掛けているマツダ・タカシ氏は2015年ツアーの横浜公演で当時のサポートキーボディストである若G氏(現在の越前谷直樹氏)のスケジュール上の都合での代打で参加し、その後2016年冬ツアーで全公演のキーボードを担っている。

まさか2015年の段階で彼がMSSPの音楽制作に関わってくるとは予想だにもしていなかった。

というか去年のツアーの段階ですら思ってなかった。

 

むしろMSSP以外がMSSPのCDに収録される楽曲の制作に関わることになるとすら思ってなかった!!

 

1月6日にアルバムの曲目が発表されて以来、見た目にもわかりやすい新たな形での音楽が増えて、確実にMSSPの音楽というのが広がっているなあと感じていたし、デモ動画を聞いてその感情はさらに強まったと言ってもいい。

 

 

ここで、1曲ずつ軽くさらっていこうと思う。所謂第一印象ってやつだ。

といいながら色々と吐露してしまっていることには目を瞑ってほしい。

 

1.Beginning

FB777氏によるインスト曲。デモ動画では再生時間が若干約12秒で、さらに割と自然に次の曲につながっている為、デモ動画を周回しているとうっかり聞き逃す。アルバムの導入として1分~2分弱の曲を入れるケースはよくあるのでそれかな?と思っている。

 

2.三次元Triangle▽JUNCTION

FB777氏による、FB777&KIKKUN-MK-Ⅱ氏のボーカル曲。クロスフェードの直前、聞き逃さなかった「滅び」という詞。滅んでも結局光があることを知っているので安心して聴ける不思議。

 

3.影光SPECTRUM

FB777氏による、初音ミクを使用した楽曲。そしてスマホゲーム#コンパスでステージ専用曲として収録。ステージも現段階ではβ版ということで、完成が楽しみである。

影光の読みは「えいこう」だという。#コンパス生放送で触れられていたが、それまで違うだろうなあと思いながら「かげみつ」と読んでいたし、タイプは今でも完全に「かげみつ」だ。竹光じゃないんだから。

 

4.Another Sky

KIKKUN-MK-Ⅱ氏によるインスト曲。後述のDiving Ashとは対照的な楽曲だと感じる。ムード感あるギターがMSSPの楽曲としては聞いたことなくて新鮮。インスト曲は音楽に関する語彙が足りないのであまり多くを語れない。

 

5.MISSING LINK

あろまほっと氏による自身初のソロボーカル曲。曲目発表時点で最も警戒(言葉が悪いけれども)していた楽曲。当時予想していたのは、

(1)タイトルの真逆を行くふざけた歌 か (2)タイトル通りのシリアスな真面目ソング

だったのだけれど、よもや

(3)タイトルのイメージの真逆をいくポップソング だとは……正直まだもう一段階何かが来そうな気がして警戒している。

 

6.I'll be...

eoheoh氏による自身初のボーカル曲。とりあえずこの楽曲が流れ出して混乱の極地に達し、慌てふためいて3:33の段階でようやく一時停止を押すことに成功し、ベッドに倒れ伏した。その後5分ほど視聴を再開する覚悟ができなかった。

2月8日までに抗体ができる自信はない。

氏独特のa音が歌唱でも残ってて、そこが止めを刺してくる。

 

7.Glory Soul

KIKKUN-MK-Ⅱ氏によるM.S.S Project総出の楽曲。ヴァイキングメタルというジャンルだそうで、曲、詞ともに海賊の野蛮ながらも愉快で力強い航海を連想させる。合いの手の、曲にあったやけくそ具合が好き。\ワレラ海賊ダァー!!/

 

8.Divine Ash

KIKKUN-MK-Ⅱ氏によるインスト曲。一瞬で心臓を鷲掴みにされてしまった曲。RPGのボス曲……ドストレートなかっこよさが純中二病の心をくすぐる。

 

9.Egoist Unfair

KIKKUN-MK-Ⅱ氏によるFB777氏&KIKKUN-MK-Ⅱ氏のボーカル曲。シングルで先立って発売されていたし、ある意味安心して聞けたというのが正直なところ。ただ、今アルバムの1曲という視点でいうと、Divine Ashと共にアルバムのダークな側面を担っている貴重な曲だという印象を受ける。

 

10.プロトレジエム

3曲目以来のFB777節。こうやって思うと今回のアルバムのバラエティー感がより強く感じられる。シンセサイザーの乱舞とデジタルミュージックらしい規則正しさが疾走感を持ちながらも安定して聴ける。

 

11.WAKASAGI

FB777氏によるソロボーカル曲。曲目発表時にTwitterトレンドを飾り、デモ動画投稿時にもTwitterトレンドを飾るある意味伝説。

ポップな詞とプリンと、共に宇宙を駆けるのは若鷺か、はたまた公魚か。高音域のアレンジに涙腺が緩む。16bitと宇宙の相性がいいのは何故。

ニッチすぎるけどBメロ2回目の「ほら」がツボ。

 

12.ReBirth

KIKKUN-MK-Ⅱ氏による、初音ミク曲。FB氏の楽曲に挟まれ、最後から2曲目という特殊な配置に何かを考えてしまう。彼はボカロ使わないだろうって先入観を見事に裏切られてしまった。と思ったら「ファンの女の子がカラオケで歌えるように作った」とか。ずるい。

FB氏の操る初音ミク曲と、KIKKUN氏による初音ミク曲が1曲ずつあることで両者の対照性がより際立つような気がする。

 

13.M.S.S.Phantasia

FB777氏による、M.S.S Project全員がボーカルを務める楽曲。4人が歌うということでとてもシンプルで安定した楽曲になっている。ところでFB氏の楽曲のBメロは総じて好きなんだけれども、さらにFB氏の「もう一度」って詞の使い方がとても好きなのだけれども、要するにM.S.S.PhantasiaのBメロは最高。

 

 

もちろんちゃんとした各曲の感想、ましてアルバムの評価は実物を手に取らないとどうこう言えるはずもないが、期待値が高まってしまったのは言うまでもない。

そしてM.S.S.Phantasiaの発売が2週間半と迫る中、同様に近づいてくるのは2016年冬ツアーの真のファイナルにして、M.S.S Project初の日本武道館公演だ。

サポートドラムとして参加が決定している輝喜氏のブログで、ほんのりと今アルバムの楽曲が武道館で披露されるのではないかという示唆を感じたのだが(というか発売タイミング的に十中八九そうなのだけれど)、果たしてこれらがMSSPバンドでどのようなサウンドになって武道館という晴れ舞台で響き渡るのか、今からそのわくわくでペンライトを振りたくて仕方ない気持ちになる。

 

 

冒頭で昔のことをほとんど忘れてしまったと書いたが、覚えていることがもうひとつある。

彼らと出会って3年半。その頃はMSSPの初めてのライブ2公演が終わった直後だった。それを彼らの動画を見るようになってだいぶ後に知り、ただ悔しいと思ったのは珍しく記憶に新しい。私が彼らを知った時には、既に彼らは自身の音楽活動を本格的に進める覚悟をしていた、のだと思う。そう感じたからだった。

そんな時期だったから彼らがなかなかCDを出さなかった時期を知らないし、あんなに手作り感あふれる初めてのライブが、彼らにとって、あそこに居合わせたファンにとって、どれだけの感慨を与えるものだったのか想像もできない。

それでも、この3年半を見続けて、あと1ヶ月という手を伸ばせば届きそうな距離に大舞台があるということがまだ夢のことのようだと思う。それほど途方のないことだというのはわかる。

 

 

……個人的に期待しているのは、他の色もそうだけれど、あの会場を緑の光で埋め尽くすことが一度でもできたら、なんて。

叶うのか叶わないのか、微妙な望みを抱いている。

PLD東京公演で、ほんの一瞬。会場が緑に染まった時の感動は、いかんとも説明しがたい。これは私が彼の人がいなければMSSPをここまで追いかけるまでに至らなかっただろうと断言するほど特別なイメージを持っているからだろうか。

 

 

兎にも角にも、2月は1ヶ月ぶりにMSSPのイベントが盛りだくさんの月になる。まさしく駆け抜けていったといっても過言ではない2016年度MSSPのゴールを、今か今かと待ち望んでいる。

 

 

余談。

このブログを書きながら、当然のようにM.S.S.Phantasiaのクロスフェードデモを流していたのだけれど、10周目を数えてから、カウントはあきらめた。ようはそれだけの時間をなぜかかけてしまったのだけれど、ブログってやっぱり時間がかかる。

こんな分量を書いてないにしても、4日おきにしても、とぎらせることなくブログを書き続けてるMSSPって本当にすごいなあ(こなみかん)