キャップの溝にこびりついた何か

剥がすの楽しいよね

「当たり前じゃない」という言葉

 フェイスマスクつけてる10分で書くぞ 振り落とされないように気をつけな

 

 今回の発言に至った経緯についてはこちらは茶の間ですらないので言うべき言葉を持ちませんが、きっくんの「当たり前じゃない」という言葉については特別に思い入れがありますのでちょっとだけ触れておきたいかなと思う。

 件のツイートで1年ぶりにマジで涙が落ちた。普段「泣いた」なんて軽率にツイートしてるけどほんとにちょっとでも泣けたの久しぶりだよ。前回泣いたのなんか職場で日本語を第二言語とする方に「手前の日本語が理解できないんだよ」って怒鳴られたとかいうクソ経緯なのでちょっとびっくりした。

 話は戻るが、彼の「当たり前じゃない」という言葉に思い入れを持つのは2016年12月23日がきっかけだ。MSSPの冬ツアー、Phantasia of Light & Darknessの北海道公演の日である。記憶にある方も多いかもしれない。

 あの日(というか前日22日から)、札幌は50年に一度という豪雪に見舞われ、新千歳便は欠航に次ぐ欠航に見舞われ、MSSPツアー一行も前日入りで搭乗予定だった飛行機が欠航の憂き目を見るという事態に直面した。彼らは北海道新幹線に乗って函館まで行き、そこから夜のバス移動で朝6時になってようやく札幌にたどり着いたのである。

 彼らだけではなく、あの日会場に集った遠征陣の多くも、会場に辿り着くまでに各々熱いドラマを抱えているだろう。埋まっているべき1階席も、空席が目立つような、そんな公演だった。

 メンバーも、スタッフも、ファンも、そこに辿り着いただけで疲れていた。

 そんな中でのライブ、そのMCの中で、彼が「ライブができることは当たり前じゃないんだって思った」と口にしたのだ。

 一字一句を書きだすことはできないが、あの言葉の重みだけは忘れない。

 会場に辿り着けないかもという極限状態で、俺達がここ(会場)にいて、スタッフもいて、そしてみんな(客席)が集まってきてくれる。どこの会場でもそうだけど、今回、この奇跡を痛感した。これは当たり前じゃないんだって。

 涙ぐむファンも大勢いた。あの日のライブは、心なしか静かだった。

 その後の音楽ライブで、彼の「ライブができることは当たり前じゃない」という言葉を聞かなかった公演はない。その重みは、誰もが知っていることだと思うが、あの場にいたからこそ、より強く、いつも新鮮に胸を打っている。

 だから彼のこの言葉は、私にとって魔法の言葉だ。彼の宝物のような気持ちを共有させてくれる、数少ない言葉だから。

 

 尻切れトンボだけどこんなもんで。

 あと2週間を切ろうとしているライブ、楽しみにしています。