キャップの溝にこびりついた何か

剥がすの楽しいよね

好きな男達が平成最後のたまアリアーティストになるんですが

 "平成最後の"というフレーズが大嫌いだった。

 平成が終わったところでただの日本国民である私の周りで何かが劇的に変わることもないことは予見できるし、普段その平成を象徴するところの天皇陛下のことなど日常で一ミリも考えていないだろう大衆がことあるごとに”平成最後の”某をやたらめったら祀り上げることが気持ち悪くて仕方なかった。

 ところが、これだ。

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この人。この人ね、私の推してるグループのメンバー。

そして私が推してるグループ、「M.S.S Project」という人たちが初めてたまアリでライブするんですけど、その日取り、2019年4月29日がどうやら、たまアリの平成最後のライブらしくて。

つまりM.S.S Projectが、平成最後のたまアリアーティストになるらしい。

(〇〇(会場名)アーティストって言葉が一般的にあるのか)

この事実を聞かされた途端、”平成最後の”という修飾語がやたらと甘美な響きのように聞こえてきてしまって、呪いのように頭を駆け巡っている。

だって、さあ。平成の最後、最大収容人数37,000人のアリーナに、最後に歌声を刻み付けるのがこの男たちなんですよ。さいたまスーパーアリーナは、この男たちの声とともに平成と次の時代の境界を跨ぐわけで。そう思ったら、かっこいいのなんのって。

そして、4月29日なんていったら新元号が施行される(と思われる)5月1日の2日前。そして新天皇即位に伴う大型連休の真っ只中。多くのファン、関係者にとっては、このライブが平成最後の思い出になる。

無論、それは私も例外ではなく。きっとこの日の噛みしめながら、新しい時代への第一歩を踏み出すのだろうなあと今からわくわくしている。

彼らとの出会いは、2014年2月に行われた最初のライブ(とその追加公演)の直後。当時は2000人程度の会場を使用していた彼らが、順調に階段を登っていき、それによって私はライブ参加、武道館、横浜アリーナと、様々な処女を捧げてきた。たまアリも初めてだ。

はじめては散々。けれど、"最後"は、いまだにない。当然だ。たかだか20数年を生きた程度の人間の、普通であればまだまだ先がある人生における"最後"なんて、そうそう与えられはしない。

けど、"平成"という二度とこないであろう時代の終わりに、私が最後に記憶に刻み付ける出来事が、平成の終わりに私が狂おしく愛するであろう男達の晴れ姿であることは、きっと私が唯一彼らに捧げられる、喜ばしい"最後"なのだろう。

彼らへの想いを墓まで持っていく約束はできず、彼らの終末を見届ける義理もないのだから。

だが、まあ、まだ未来の話なので保証ができないという意味では同じだけれど。

少なくとも今喜べることならば、4月29日、その日に多くの人々の歴史に刻まれる彼らに想いを馳せることはできるのではないかと、そう思う。

叶うならば、平成を閉じる彼らと、その先も歩みを共にできるように祈りを捧げる平成の終わりであればと思う。